こんにちは。
NYフードエキスパート、明比 玲子です。
今日は、まだオープンして1週間ほどのモダン中近東料理店
「Nur(ヌアー)」に行ってきました。
行ってみたかった理由は、一つ。このイスラエルから来たセレブシェフのビジネスパートナーが、これまたイスラエルからやってきた私の大好きな「Breads Bakery」のオーナーシェフだからです。
このセレブシェフ、Meir Adoni(ミール アドニ)氏は、テルアビブではかなり有名なようで、レストランも幾つか経営、テレビでも活躍しているよう。
ちょっと、かわいいですよね。
この人は、Breads Bakeryのオーナーシェフ。
でも、この方の料理は食べたことがないし、正直言って、食べ物はあまり期待していなかったのです。
ところが。。。ここのお料理、本当に美味しかったんです。
私は、もともと多種のスパイスを使った料理が好きなので、他の日本人の舌にはあまり合わないかもしれませんが。
モダン中近東料理、とモダンをつけるだけあって、面白いお料理を堪能しました。
まず、Breads Bakeryのオーナーシェフがパートナーなので、ここのパン類は絶対に食べなきゃだめ。
そう、イスラエルのベーグルって、こんなに大きいんですよ。ただ、ここのは、説明を聞いていると揚げ焼きに近い焼き方をしているようで、周りがオリーブオイルでベタベタ。
パン自体は美味しいのですが、オイルが多すぎ!
ウエイトレスもウエイターもみんなとても感じがよく、料理の説明も詳細にしてくれて、どれにするか悩んだ際、彼のお勧めをオーダーすると間違いありませんでした。
このナツメヤシのドーナッツは、少し酸味も入って、パリッと揚がっていて美味しいのですが、これアペタイザーに食べると、かなりお腹にきます!
そして、次は、Smoked eggplant carpaccio。食べる前に、プレゼンが綺麗で、崩すのが勿体無いぐらいでした。カルパッチョと呼ぶだけあり、ナスはあまりにも薄いため、フォークを入れると、ナスの形は無くなってしまい、下のソース類と混ざり合います。
ナスはスモークしてあり、下にはタヒニペースト(ゴマペースト) を敷いて、上にはナツメヤシのシロップ、ローズウォーター、コリアンダー、ピスタチオ、仕上げにチャイブの花が散らしてあります
こういう料理を食べたことのない方には、おそらく食べてみないと味が想像つかないと思うのですが、口に入れた時にスパイス類がどう混ざり合うかが全て計算し尽くされた最高の料理でした。
中近東のナス料理といえば、ババガヌーシュというスモークした茄子にタヒニソース、オリーブオイル、ガーリック、パクチーを入れて作った有名なディップがあります。
この料理は、なんとなくババガヌーシュを彷彿させるのですが、実際にババガヌーシュを使っていないところがミソです。
最後の一品はどれにするか悩んだのですが、ウエイターが「これ!」と言ったのでオーダーしたら、本当に美味しかった。
シーフードシチューとか言っているのですが、シチューって
感じではないです。何時間も煮込まれたこってりソースが全てを引き立てています。
中に入っているのは、ムール貝、魚(何か聞くの忘れました)、ポテト(これまた、パーフェクトに仕上がっている)、フェンネル、トマトでしょうか。どれ食べても美味しかったです。
そして、もっと驚いたのが、このクスクス!皆さん、本物のクスクスって召し上がったことありますか?ほとんどの方は、インスタントしか召し上がったことないと思うのです。
本当のクスクスって、作るのに何時間も時間がかかって、とても面倒くさい物なのです。でも、さすがに美味しいですけど。
ここのクスクスは、今まで食べた本物のクスクスの中でも一番美味しいものでした。ふわふわなんです。ほんと〜に。
そして、このクスクスとソースを混ぜて食べるといくらでも食べられます。ご覧の通りに、犬を借りなくても舐めたように綺麗に平らげました。(笑)
お料理がこれだけ美味しいと、デザートへの期待も高まります。どれを食べればいいのかわからなかったので、ウエイトレスとウエイターに聞くと、この2つになりました。
なのですが。。。デザートはみごとに裏切られました。(笑)
一つ一つは美味しいのですが、どちらのプレートも「何を言いたいのかわからない!」の一言。
中に入っているものそれぞれの関連性が、全くない。こんなデザート初めて。
例えば、このデザート。Hills of Jerusalemという名前。 下に敷いてある赤いクラムを食べてみると、どう考えてもサラダに入っているベーコンビッツ(カリカリにしたベーコンを砕いたもの)にしか思えないのです。
そして、突き刺さっているのは、菊芋のフライしたもの。アイスクリームは、スモークしたヨーグルトアイス。チョコレートの中には、ハルバと呼ばれる中近東のゴマペーストでできたあま〜いお菓子が入っています。
きわめつけは、お皿の模様のように見えるうす黒い物。これ、オニオンを炭にしてパウダーにしたもの。
これが全て一つのお皿にのっているのですが、どれひとつとして関連性がない。あまりにおかしくって、涙を流して笑ってしまいました。
こちらのデザートは、まだしも普通。なのですが。。。とても変だったのが、お皿の端にちょこっと引っかかっているブルーベリーと何か白い物。これ、何とシェーブルチーズだったのです。
そもそも、フルーツスープの中に、ライスプディング、ソルベが入り、それだけでもガチャガチャし過ぎているのに、最後に小指の先ほどのシェーブルちーずを付ける??
これも、涙流して笑いました。しかも、デザートの説明をシェフも含めて3人に聞いたのですが、3人とも言うことが違った!最後には、もうなんでもいいやって思いました。(笑)
普通、デザートがいまひとつだと、あんまり印象が良くないのですが、お食事があまりにも美味しかったので、本当にまた行きたいです。他の料理も食べたい!
ただひとつ、ここは、異常にやかましいレストランです。入り口に小さい窓があるだけで、奥に細長い店。しかも、趣味の悪い(?)、中近東の音楽がガンガンにかかっていて、うるさいうるさい!!
それでもいい!という人は、絶対に食べに行ってください。お料理は申し分なかったです。
それでは、また〜!
Nur
34 E 20th Street,
New York, NY
212-505-3420
https://nurnyc.com