開店後100周年、老舗の新しい挑戦。

投稿日:
こんにちは、NYフードエキスパート、明比 玲子です。

今日は、朝から爽やかな秋晴れで、昼間は、そこそこ暖かくなりましたが、けっこう肌寒い一日でした。

そして、東京から友人が来ているため、他の友人を入れて4人で、ブランチに行くことになりました。

どこにしようか迷ったのですが、NYらしい所と思い、1914年から続く老舗「Russ & Daughters」が、去年カフェ部門をオープンしたので、そこに行くことにしました。


そのお店は、おそらくどこのガイドブックにも載っているでしょう、「Russ & Daughters」です。

もしかしたら、日本のガイドブックや、あまりよく知らない人は、「デリカテッセン」と呼んでいるかもしれません。

でも、このお店は、「appetizing store(アペタイジング・ストア-)」と呼ばれ、スモークした魚、サラダ、クリームチーズなど、簡単に言えば、ベーグルと一緒に食べる物のことを指します。

一方、塩蔵した肉やピクルした肉類を置いた店を「デリカテッセン」と呼ぶそうです。それは、ユダヤ教の掟で、肉と乳製品は一緒に料理をしたり、同じオーブンや冷蔵庫に入れてはだめなためだからです。

現実には、今のNYでも、この呼び方を厳密に守っている所は、ほとんどないと思います。乳製品が置いてあろうが、魚、肉も混ざっても、デリカテッセンの方が、一般的な呼び方ですね。

ちょっと横道それましたが、これは、あまり知っている人がいない、重要な情報だと思います。

そして、今日行ったこの店、「Russ & Daughters cafe」は、「Russ & Daughters」のちょうど開店100周年記念の去年に、オープンしました。

「Russ & Daughters」のスモークサーモンは絶品で、ベーグルでサンドウィッチを作ってもらうと美味しいのですが、イートインがなかったため、お店の外にあるベンチで食べることしか方法がなかったのです。

カフェは、奥に細長いお店で、入り口は、カウンター席、真ん中にキッチンがあり、奥にテーブル席があります。私の頭の上にあるかごには、ベーグルが入っています。


前回来た時は、スモークサーモンとベーグルのセットを頼んだのですが、今回は4人だったため、いろんなスモークされた魚の盛り合わせを頼みました。

でも、これは、ちょっと失敗だったかも。スモークサーモンの質があまりよくありませんでした。いくらを見ると、ご飯が欲しくなりましたが。(笑)


そして、パンもいろんな種類の盛り合わせだったのですが、ベーグルが2つしかなく、言えば、もっと出してくれたのかもしれないのですが、がっかりでした。


前後しますが、今日は、このニシンの酢漬けを乗せたアペタイザーが、一番美味しかったです。


ポテトパンケーキとアップルソース。これも、ユダヤ人の食べ物で、必ずアップルソースと一緒に食べます。サワクリームもついてきます。

ポテトパンケーキは、普通は、細長く卸したポテト、玉葱、卵が入っています。ここのは、ちょっと焦げ気味。

この飲み物は、エッグクリームと言いますが、クリームも卵も入っていません。

チョコレートソースとミルクの上から、ソーダ水を入れ、かき混ぜた飲み物で、主に、NYの東欧ユダヤ人移民の考え出したものだと言われています。

どこでも飲めるわけではなく、好きな人は、売っている所を見つけたら、ここぞとばかりに飲んでいます。

今回の料理は、ちょっとがっかりでした。やっぱり、カフェは、今までのただ単に物を売っているだけのお店とは違い、まだまだ一貫性に欠けているのかもしれません。

でも、明らかに上質の食材を使っていて、NYの典型的な食べ物(特にユダヤ人の食べ物)が食べたければ、ここに来れば見つかります。朝食に行く、お店の一つです。

Russ & Daughters Cafe
127 Orchard Street,
New York, NY
TEL: 212-475-4881
http://www.russanddaughterscafe.com