あまり知られていない、ちょっと隠れ家っぽい、カクテルラウンジ「The vine」

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こんにちは、NYフードエキスパート、明比 玲子です。

今日は、最近目まぐるしい開発が行われているエリアにできた、新しいカクテルラウンジ/バー、「The Vine」です。


と言っても、もうオープンして5年経つホテルのカフェで目立たないのですが、シェフはNYで長年活躍してきているベテランのフレンチシェフ、Laurent Tourondelです。


もし、このシェフがオープンした店でなければ、多分見向きもしていなかったのですが、私は彼の料理が大好きなので、こういうメジャーじゃない所にも出没します。

Laurentは、90年代後半に、アッパーイーストサイドのタウンハウスに、「Cello」という、とても素敵なフレンチレストランを持っていました。NYの他のフレンチシェフなんて足元にも及ばないぐらい、彼の料理は素晴らしかったです。

お店は、いつも満杯だったのですが、マンハッタンってレントが高いし、とにかく、高級レストランを保つのには人がたくさん必要で、人件費もかさむ。一般人から見れば、「あんなに流行っているのに。。。」なのですが、蓋を開けてみると大赤字だったりするんですよ。

結局、「Cello」もオーナーが、採算がとれないということで、クローズしてしまいました。それ以来、Laurentはみんなに、「もう一度、あの店を再現して欲しい」と頼まれますが、「もうごめんだ。興味無し」と言っています。

そうなんですよねー。本当にお金儲けしたかったら、高級店って、割りが悪いです。ピッツァ屋やハンバーガー屋が、キャッシュビジネスで一番儲かります。

その後、自分の頭文字LTにBistroのBをくっつけて、BLTというステーキ屋をオープンし、大成功を収めるのですが、オーナーと喧嘩をして、裁判沙汰にまでなってしまいました。結局、名前の権利はもらいましたが、店は、インベスターの手に渡ってしまいました。

才能のある人なので、コンサルタントの仕事など、いろいろやってきているようですが、ロックフェラーセンター前の店「Brasserie Ruhlmann」と「The Vine」が、今の彼のメインの仕事になっています。ファンの私としては、彼には、もっとメジャーな仕事で大活躍してもらいたいのですが。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本題に。 「The Vine」のある場所は、今まで、2回ほど、改装を重ねて、いろんなコンセプトで失敗してきた所です。そこで、今回、有名シェフを連れてきて全てをやり直しています。

ラウンジなので、ソファー席あり、テーブル席もあります。夏には窓を全開していてテラス風になっています。今の所、このお店はあまり人に知られていないので、このテラス席は、穴場ですね。

メニューは、カクテルラウンジなので、さくっと食べられる物がたくさん並んでいます。最近、NYで流行のcrostini、pizza、もちろんハンバーガーもあります。でも、ガツンと食べたい人には、お肉、お魚のメイン系もあり、食事だけでもまったく問題ないです。

すみません。お腹が空き過ぎてて、最初に写真を撮るのを忘れました。本当はこれの3倍ぐらいの大きさです。Peekeytoeという蟹、アボカド、香菜にレモンでしあげられていて、あっさりとしています。

マッシュルームの薄切りに、フォンティーナチーズ、タレッジオチーズ、トリュフペーストがのっていて、これもアメリカのチーズでべとべとのピッツァではなく、あっさりしています。

本日のお奨めのソフトシェフクラブの天ぷらにスイカとごま油、少しだけスパイしーなソースがかかっています。揚げ物ですが、味のまとめ方が上手で、重くありません。

ご覧の通り、いろんな野菜が入っているサラダです。キノア、ビーツ、そら豆等、オレンジ風味のドレッシングで仕上げています。見た目より、食べ応えありです。


本日のお奨め、ネクタリンのタルト。ネクタリンが甘くて、美味しかったです。


ジャンデゥージャ(チョコレートとヘーゼルナッツ)のジェラート。これは、ちょっと
イマイチでした。

全体的に、ホテルのラウンジにしては、リーズナブルな値段でした。わざわざ遠くから食べに行くことはないと思いますが、この近辺に行く用事があれば、とてもお奨めです。ただ、サービスは、フレンドリーですが、ぼーっとしていますので。念のため。

それでは、また。


The Vine @Eventi Hotel
851 Sixth Avenue
New York, NY
TEL: 212-904-1855