ちょっと残念だけど、背に腹はかえられない?80年の老舗のメイクオーバー。

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こんにちは、NYフードエキスパート、明比 玲子です。

今日のNYは、15℃ぐらいまで上がり、午後にはジャケットもいらない陽気になり、ちょっと街をぶらぶらしてみました。

最近、かなり変わりつつある、Lower East Sideに散策することに。何軒かお店に行きましたが、今日は、80年の歴史のある「Kossar's Bagles & Bialys(コッサーズ・ベーグルズ & ビアリーズ)」のご紹介です。


このお店は、1936年にClinton Streetにオープンして、1960年に今の場所に移り、2013年まで、ずっと同じオーナーの元で営業していました。

2013年に新しい若いオーナー達に買われて、去年から、今までのあまりに古い機械などを含め、古びた内装を改装して、今月初めにリオープンしたばかり。

ちょっと不便な地域なので、こういうことでもないと来ないので、ちょうどいいお天気の日に散歩がてら行ってみることにしました。

まず、Bialy(ビアリー)というものをご存知でないかもしれないので、ご説明しますね。

ビアリーとは、ベーグルと同じ生地で、ベーグルは茹でてから焼くのですが、ビアリーは、茹でずに焼きます。

焼く前に、穴を開ける代わりに真ん中をへこませて、そこに玉葱のみじん切り、ガーリック、ポピーシード、胡麻などを入れて焼きます。

茹でてから焼かないので、もちもち度は減ります。ポーランドからやってきたもので、ベーグルと同じく、ユダヤ人の食べ物です。

実は、ここは、ビアリーが美味しいかどうかというよりも、ユダヤ教の教えに忠実に乗っ取って、金曜日の日没と共にお店を閉めて、日曜日の日の出と共にお店を開けていたことで有名だったのです。

敬虔なユダヤ教の信者は、金曜日の日没後から土曜日の日没後までは、一切仕事をしてはいけなく、ペンも持ってはいけないそう。そして、電気製品も触れず、電話もだめだし、エレベーターのボタンも押してはだめ。

実は、このお店の近くにあるアパートメントで、ユダヤ人がたくさん住んでいる所に引っ越した友人の家を土曜日に訪れた時、アパートメントのエレベーターのボタンはすべて押されていて、各階停車でした。(笑)

ちょっと話しがそれましたが、ということで、お店に近くなってから、今日は土曜日。おそらく開いていないのだろうと思いながら行ったら、なんと開いていました。

新しいオーナーになってから、毎日開けているようです。そこで、新しいオーナーになってからの記事を探し出して読みました。

食材は、今まで通り、Kosher(コーシャーといい、rabbi(ラバイ...ユダヤ教指導者)がお祈りをした食材)に絶対にこだわるものの、やはり商売なので、儲からなくてはだめ。

週末の一番かきいれ日、土曜日を定休にするということはできないため、ラバイの力を借りて、特別な方法を取っているそう。

それは、金曜日の日没とともに、ユダヤ人ではないビジネスパートナーに営業権を渡し、土曜日の日没とともに、また営業権を戻してもらうという方法だそう。

改装されたお店は、あまりにも明るく綺麗になっていたので、ちょっと拍子抜けしましたが、実際は、シンプルで、飾り気もなく、明るくなったぐらいで、あまり昔とは雰囲気は変わらないかも。

ビアリーと店名にあるぐらいなので、ビアリーが目玉商品ですが、ベーグルもあり、あと、ユダヤ人の有名なパンChallah(ハラーと読みます)、Babka(バブカ)など、主立ったお菓子も置いてありました。


肝心のビアリーのお味ですが、悪くはなかったですが、とても美味しいので、絶対にここで買いたいというほどではありません。

あと、残念ですが、ちょっと作り方が雑な感じもしました。

ベーグルも、ここのは甘みが少ないので、それが好きな人は、いいかと思いますが、ビアリーと同じです。わざわざここまで買いにこなくても、他でもこれぐらいのベーグルは買えます。


土曜日のお天気がいい日ということもあり、店内は、ひっきりなしに人が入って来て、ごった返していました。

すぐご近所に住んでいたら、私も買いにくると思いますが、私は、近所に来た時にしか来ないですね。。。

でも、すでに80年の歴史のあるお店、今後も、ずっとみんなに愛されるビアリー/ベーグル屋であって欲しいと思いました。

そうそう、このお店のすぐ隣は、あの有名な「Doughnut Plant」のオリジナルのお店があります。

それでは、また。

Kossar's Bagels & Bialys
367 Grand Street,
New York, NY
(212) 473-4810
http://kossars.com